初めてのヤギ飼育

ヤギの暮らし

人里離れた小さな牧場で生まれ,自然あふれる静かな環境で過ごしてきた2頭のヤギ.さいたまにやってきた当初は,慣れない人や初めての環境に相当不安だったのだろうと思います.人が近づくとすごい勢いで小屋の中へ,それも奥のほうに逃げ込んで,びくびくしていました.かわいらしい姿を見ようと寄っていくのですが,あまりの逃げように,かわいそうに思えてしまうほど.

ヤギのお世話の中心を担うやどかりの里の職員は「ヤギと仲良くなるにはまず餌付け」,そんな牧場主からのアドバイスを受け,逃げられてもくじけず,怖がらせないよう気をつけながら近寄ります.時間をかけてエサをやり,休日には柵の中でいっしょに過ごす時間を持ちながら,ヤギとの距離を縮めていきました.

さいたまに来て1か月が経った頃には,少しずつ人にも慣れてきました.人が来れば,「エサくれるの」と言わんばかりに「メエ~」と鳴いて寄ってきます.寄ってくるのに近づくと逃げる……そんな時期もありました.次第に,生まれ持った好奇心を発揮できるようになり,柵内に人が入ると,自ら寄ってきて,服の端を噛んでひっぱって遊んだりしています.

また,壁を横蹴りしてジャンプしたり,2頭で頭突きし合ったりと元気いっぱい! 最近では,リードをつけて,生い茂る青草を食べに散歩に行かれるようになりました.どれだけ広いところに出かけても,2頭はいつも寄り添っています.日頃から世話をしている職員の後ろを2頭でついて歩く姿は本当にかわいいものです.

私たちにとって,初めてのヤギの飼育は手探りの連続.受け入れて間もなく,楽々の体調が悪くなりぐったりしてしまったことがありました.急遽ヤギを診てくれる動物病院を探し,急いで連れて行くという事態に……病院に到着する頃にはいつもと変わらない元気を取り戻し,事なきを得ましたが,本当に心配しました.

ヤギは丈夫だとは言いますが,やはり生き物,いつも同じ体調というわけにもいきません.まだまだ子ヤギで,刺激には慣れていないこと,食べると体に良くないものもあることなどから,ヤギ小屋の近くには,注意を呼び掛ける貼紙をしています.ヤギの健康と幸せを考え,日々の様子を確認しながら,大切に育てていこうと思っています.(記 宗野 文)

草を食むヤギのキキとララ

タイトルとURLをコピーしました